手元にあるデータで人工知能を作りたいのだが...
データに対するセキュリティ対策は?
開発費が高くなってしまうのでは?
画像上のピクセルをクラス分けする人工知能を、お手元のデータで手軽に制作できる製品です。
人工知能の世界では、セマンティックセグメンテーションと呼ばれる分野です。 例えば画像に含まれる亀裂を認識したい場合、画像の上を四角形で囲っても計算結果が分かりにくくなってしまいます。 このように、物体検出には不向きのケースで、利用が試みられています。
市販のソフトウェア製品で、画像を対象とした人工知能を組み込んだものがありますが、これらを利用しようとしても、自社の製品画像に対する識別がうまくいかないことがよくあります。 これは、人工知能を制作する際に、自社製品の画像を利用していないためです。
自社製品の画像を組み込んだ人工知能を制作するためには、自社で開発するか、外部の専門業者に委託することになります。
多くの人工知能関連の書籍には、数学に関する複雑な内容が記述されています。 人工知能を組み込んだシステムを自社開発するには、これらに対する深い理解が欠かせません。 したがって、自社開発を選択することは、多くの企業にとって、費用および時間の観点から難しいでしょう。
一方、外部業者に委託する場合、別の課題が発生します。 手元にある画像ファイルには、発表前の製品が含まれているかもしれません。 あるいは、個人が特定できる情報が含まれているかもしれません。 また、自社固有のシステムを開発する場合、市販の製品を使うよりはかなり高額の費用がかかる点も課題です。
ezDeep SSは、これらの課題を解決することを目指した製品で、以下のような特長があります。
セマンティックセグメンテーションとは、与えられた画像に含まれるピクセルにつき、何が写っているか、人工知能に識別させることを指します。
ここでは、画像に含まれる人物と動物につき、ピクセルごとに判別しています。
本製品は、セマンティックセグメンテーション向けの人工知能を手軽に制作するための機能を多数用意しています。
基本的な操作は、人工知能に組み込みたい画像と、識別させたい対象のみが含まれる画像を、指定されたフォルダに配置するだけ。 専門的な知識やプログラミングは一切不要です。
市販されている画像処理ソフトウェアとよく似た操作により、自社独自の人工知能用データが作成できます。
すべての画像が配置出来たら、ディープラーニング機能を利用して、自社独自の画像情報を使った人工知能を完成させます。
繰り返し計算による途中経過を、ダイアログ上で確認できます。
ディープラーニング中の計算誤差をリアルタイムで表示します。
学習用、テスト用のそれぞれのデータについて、グラフ形式で進捗を確認できます。 誤差値の変化を見ながら、適切なタイミングでディープラーニングを終了させてください。
ディープラーニングが完了したら、画像を与えてセマンティックセグメンテーション結果を確認できます。
結果確認に使用した画像の内容と、ピクセルごとの結果が表示されます。
期待した結果が得られなかった場合は、データ作成とディープラーニングを繰り返してください。
ezDeep SSのデータは、ディープラーニング後の内部パラメータをすべて保有しています。 開発キットを使用すると、自社独自の人工知能ロジックを利用できる自社独自のシステムを開発できます。
ezDeep SSのデータを再ロードするだけで、人工知能ロジックの変更が可能です。 したがって、新製品のリリース時に人工知能を構築する場合、システムの開発をやり直す必要はないかもしれません。 社内で完結できる作業が増えることから、製品リリースまでの時間短縮、システム開発費用の低減などが期待できます。
ディープラーニング用ネットワークに含める各層などの設計を行える専用ソフトウェアを添付しています。 各層の種類やパラメータなどを、プログラミングなしで指定することができます。
セマンティックセグメンテーションに必要な層である、逆畳み込み、1x1畳み込みおよびスキップ接続も用意しました。 この分野ですでに実績のあるネットワーク構造を参考にしながら、御社独自の構造を、グラフィカルなユーザーインタフェースを使用して、手軽に制作し、ディープラーニングへ進むことができます。
プロジェクトの開始時には、どのようなネットワーク構造を採用したらよいか、ezDeepの各機能をどのように利用すればよいかなど、わからないことも多いと思います。 当社では、本製品開発の過程で、たくさんのデータを収集し、多数のネットワーク構造を採用し、ディープラーニングを繰り返してまいりました。 当社が蓄積した人工知能に関する技術的な知見が、御社のプロジェクト遂行を力強く支援いたします。
人工知能用ネットワークが大型化した場合、計算速度の高速化が求められます。 そこで、計算ロジックの多くにマルチスレッドを採用しています。 高性能CPUは多数のコアを搭載しています。さらに、複数のCPUを搭載したハードウェアもあります。 マルチスレッドによる並列処理により、このような高性能ハードウェアで計算速度の向上を期待できます。
人工知能の世界では、GPUの活用による計算速度の向上も幅広く採用されています。 そこで、本システムではGPUを使用した計算もサポートしました。 この技術も、計算速度の向上に寄与する可能性があります。